重い精神障害を持つ人が、住み慣れた場所で安心して暮らしていけるように、
様々な職種の専門家から構成されるチームが支援を提供するプログラムです。

ACTは時間をかけて
じっくりと取り組む支援です
精神の問題を抱える多くの方は、病からくる症状とともに”生活の難しさ”を感じています。
病を抱えるご本人も支援する側も、“病”や“生活の難しさ”に着目しがちです。
しかし、これらの困難に対して「解決しよう」と正面から取り組んでいると、悩み、疲れ、そのうち「必ず解決しなければならない」という焦りや緊張感を抱えるようになってしまいます。
そして、その方の人生の中に、“病”や“生活の難しさ”が大きく居座ってしまうことになります。
ACTが大切にしているのは、“病”や“生活の難しさ”を抱えながらも、その人らしい人生をおくるための工夫を一緒に考えるということです。
大事なのは、掘り起こすのはあくまで本人だということ、そしてその作業は本当に時間がかかるものだということを忘れずに、じっくり取り組むことです。
私たちは、耕す本人の気持ちを隣で支え、時には一緒に困ったり悩んだり笑ったりしながら、共に歩んでいく支援を目指しています。
ACTの特徴

多職種の専門家によって、
様々なサービスを直接提供します
看護師、作業療法士、精神保健福祉士、就労支援の専門家、医師などの多職種の専門家によってACTチームは構成され、保健・医療・福祉のサービスの大部分を直接提供することで、サービスの統合性を図っています。
特定の利用者に対して中心的な役割を果たすケアマネジャーが指定されますが、チームの全員が全ての利用者について十分な知識をもち、ケアを分担して支援します。
また、サービスの質を保っために、10名程度のスタッフに対して、100人程度の利用者の方を上限とするという比率を保っています。

地域での生活に困難さを抱える統合失調症や双極性障害、うつ病の方を原則対象としています
ACTは、症状とともに生活の困難さを抱えやすいこれらの疾患の方を対象に発展してきました。ACTでの多職種支援を行うことで、再入院の減少、生活の質の改善、就労率上昇、家族の負担軽減など多くの成果が得られることが、調査研究で明らかになっています。

利用者の方や関係者の方が「生活している場」
「地域・街」に直接訪問してサービスを提供します
ACTは、病院や施設などの保護的な環境だけではなく、利用者の方やそのご家族、関係者の方などが「生活している場」「地域・街」に直接訪問して、サービスを提供するのが特徴です。
また、必要に応じて職場や学校などいろいろな場所へ積極的に出向いて行きます。

24時間365日体制で、
オーダーメイドのサービスを提供します
ACTは、24時間365日体制で、緊急時はもちろん、利用者の方のためにオーダーメイドのサービスを提供します。
原則的に期限はありませんが、回復してきてACTが必要なくなった場合などには、他のサービスに移行することもできます。

利用者の方が希望する生活を実現していけるように、それぞれのニーズに応じてサービスを提供します
ACTの対象となる方は、重い症状や障害のために、外来受診や買い物などの外出、ご家族との会話などに困難を感じる場合があります。
ACTのスタッフが訪問してだんだんと信頼関係を作っていきます。
そのため、もし病状が再発するなどの危機の場合にも、そのサインに気づいて利用者の方が早めに対処できるように支援をします。
そして、一人暮らしや就職など、利用者の方が希望する生活を実現していけるように、いろいろな場面でオーダーメイドのサービスを提供します。
具体的な事例
- 住居を探したり、
家主との調整を図るなどの
住居に関する支援 - 買い物、料理、交通機関の利用、
近隣関係など日常生活に関する支援 - 就労について、利用者の方の
希望を実現するための支援 - 年金や生活保護の利用や
金銭管理のアドバイスなどの
経済的サービスに関する支援 - 公共施設などの社会資源の利用やグループ活動への参加など、
利用者の方を取り巻く周囲の社会ネットワークとの関わりの回復と維持のための支援 - 利用者の方の
ご家族のための支援 - 精神科治療を継続するため、
診察や処方、自宅への薬の持参などの支援 - 病気に関すること、服薬に関することなど、
病気を自己管理するための支援 - 危機状況時の介入や
一時的な入院の間の支援 - カウンセリング
- 身体的健康に関する支援
ACTが大切にしていること
ACTの目的を理解するうえで以下の概念が重要であると考えられています。
Recovery(リカバリー)
リカバリーとは、たんに治癒や回復を意味するものではありません。
ある人が二度と精神医学的な障害を経験しなくなるということよりはむしろ、障害を抱えながらも希望や自尊心を持ち、可能な限り自立し意味のある生活を送ること、そして社会に貢献することを学ぶ過程を意味しています。
そしてACTのサービスの根本的な目標は、利用者のRecoveryの過程を支援することだと言われています。
そのために、ACTチームのスタッフには、重い精神障害を抱えている人々の可能性を信じ、そうした希望を伝達しうる能力が期待されます。
利用者のStrength(強さ・長所)
に注目すること
精神障害を抱えた人が、自分の生活について判断し決定を行う権利と能力を有していることを、すべての人々の共通理解にすることが大切です。
なぜなら、精神障害といえども人の意思能力・行為能力をすべて奪ってしまう状態は例外的な状態であり、精神疾患を持つものにも能力とセンスがあるからです。
生活の場での支援
精神的な課題を抱えた人は、その問題が大きなものであっても、地域で生活するのは当たり前の権利であり、希望でもあります。長期の入院は、経済的な負担だけでなく、社会とのつながりや居場所を失うことにも繋がります。
ACTでは、生活の場で困難さをできるだけ乗り越えるようにします。入院は、その生活が煮詰まった時の限定的なものとして活用していきます。 入院中にも、ご希望があればACTの支援が途絶えないように支援します。
ストレスへの対処を一緒に検討
統合失調症や双極性障害、うつ病は、ストレスが発症や再発の大きな原因となることがわかっています。
ACTで提供されるサービスは、デリケートさをカバーする薬物療法の提案に加え、ストレスを減らすための工夫、社会資源の提案、ストレスに対処できる自分なりの方法などを、多職種で提案していきます。

- 電車
- JR香椎駅より徒歩10分
西鉄貝塚線 西鉄香椎宮前駅より徒歩5分 - バス
- 香椎参道もしくは御幸町が最寄りです
- 駐車場
- クリニックビル隣の香椎参道駐車場(有料)が便利です
診療案内
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
午前 | 10:00 ~ 13:00 | 9:30 ~ 13:00 | 9:30 ~ 13:00 | 10:00 ~ 13:00 | 9:30 ~ 13:00 |
午後 | 14:00 ~ 16:00 | 14:00 ~ 18:00 | 14:00 ~ 18:00 | 14:00 ~ 18:00 | 14:00 ~ 16:00 |
- 再来の方は上記以外の時間でも対応できることがありますので、
まずはお電話にてご相談ください - 外来・訪問診療とも予約制になっております(14:00-15:00は初診の方優先)
- 外来は英語での診療も行っております(火・金)